庄内ボーイズ・活動日誌

山形県庄内地域で活動する野球チーム『庄内ボーイズ』の活動内容です

対等な関係

     対等な関係

 

 庄内ボーイズのチーム方針の一つに「指導者と選手の関係は対等」がある。選手がいて初めて指導者が必要とされるのであって、指導者がいるから選手が必要にはならない。従って選手と指導者は対等な関係でなければならないという考えからである。とはいうものの、選手と指導者が対等とは一体どのようなものかを具体的に理解していない。ただこれからの指導はそうあるべきというなぜか確信だけはある。

 「空に向かってかっ飛ばせ!」(現タンパベイ・レイズ筒香嘉智著)にこんな一文がある。ファームでは「自分のポイントに引きつけて強く振れ」とコーチから言われた。しかし、1軍に上がると「もっと前で打て、前で!」そして「できないのならファームに落とすぞ」と。

 最近のネットには某球団のコーチの言葉として、不甲斐ない投手に対し「プライベートから鍛え直す」との見出しが躍っていた。

 自立し、成熟した大人への言葉とはとても思えない。しかし、プロ野球の世界で選手とコーチの間でこのような言葉が飛び交っている。当然アマチュアの指導者が、これが選手と指導者の関係だと信じることは至極当然である。

 「なんで三振するんだ!」「そんなこともできないのか!」選手に対し罵詈雑言を並べることはいとも簡単である。しかし、それは選手を委縮させることはあっても成長させることはできない。そこには反発しか生まれない。自分の指導力不足を選手のせいにしてはいけない。この選手にはどのような技術指導が必要か考えること。前向きな言葉をかけてやることこそ指導者の役割ではないか。

 選手は指導者のいうことを聞かせるための対象ではない。指導者の沽券にかかわるなどと考えてはいないか。「はい、はい」と従順な選手が素直でいい選手と勘違いしてはいないか。

 選手と指導者の「対等な関係」の実現は、自主性を尊重されない教育、自己主張の苦手な日本人にはこれは実に難解である。しかし謬見は正す時期にある。  

 私はグランドに行くと選手より先に「おはよう」と挨拶するように心がけるようになった。するとどうだろうか。今まで私の姿を見ても誰かが挨拶するまで横目で見ていた選手達が、誰かれなく大きな声で挨拶してくれるようになった。初めての感覚である。心がパッと明るくなるのを感じた。

 対等な関係への道のりはまだまだ遠い。今一歩を踏み出したばかりのような気がする。

 選手の言葉を引き出せる指導者でありたいと願う日々である。

                        

                           By 佐藤 繁信