庄内ボーイズ・活動日誌

山形県庄内地域で活動する野球チーム『庄内ボーイズ』の活動内容です

教えてください!!

   わかるように教えて下さい!!

 

 私の高校時代の担任は東大出身だったが、その担任の授業は生徒に教えるという熱意よりは、まるで自己陶酔のように思えた。生徒のレベルに問題があったことも事実であるが次第に生徒の両瞼はその距離を縮めることになる。「教える側の論理」だけが優先し、その授業は続いた。

 今、スライディングをしない選手が多い。

 ある日、二塁打を放った選手が棒立ち状態で二塁ベースに駆け込んだ。間一髪セーフとなったが、スライディングをしない走塁にベンチからすかさず大声が飛んだ。

 「二塁ランナー交代!」

 交代を告げられた選手はスゴスゴとベンチの裏に引きさがり頭を抱え込んでしまった。話を聞いてみると今までにスライディングを一度も試みたことがないし、指導を受けたこともないと言う。

 スライディングは危険を伴う野球技術で、本来十分に指導してからグランドで実践すべきである。しかし普段の練習中に軽々とこなす選手もいることから、わざわざ時間を割いて練習する姿はほとんど見られない。

 中学生までスライディングを試みたことのない子どもがいる。恐怖を感じる子どもがいる。私は指導していないことを恥じた。

 今と昔の子どもの遊び方の違いを理解する必要がある。「俺たちは教わらなくてもそれくらいはできた」と自慢することはあまりにも無知な指導者である。

 あの授業で感じたように、自分は理解できていても、理解できていない子どももいる。 

 指導の焦点をどこに当てるか、どのレベルの子どもに合わせるか。プライベートレッスンとは異なり、永遠の課題である。

 

 教える側―教えられる側の論理は常に一体であるべきだ。

                               By 佐藤 繁信