庄内ボーイズ・活動日誌

山形県庄内地域で活動する野球チーム『庄内ボーイズ』の活動内容です

 バットを持てる幸せ

                 バットを持てる幸せ

 

   今日は練習日、朝ごはんをたらふく食べて出掛けよう。空は小雨模様、何とか午前中だけでも持ってくれないだろうか。雪もすっかり消え、選手達のグランドを走り回る姿が目に浮かぶ。

 いつものように新聞に目を通す。

エチオピア やまぬ殺戮」―夫は撃たれた。私と娘の目の前で―(4/5朝日新聞朝刊)見出しと共にその現場の写真が生々しく掲載されている。胸を引き裂かれるような感情が走る。

 世界ではミャンマーの国軍と警察治安部隊が一般市民を殺害、若者が未来を奪われることへの憤りから闘っている。今世紀最悪の人道危機と言われるシリア内戦では従順で洗脳しやすい多くの子ども達が「兵士」として闘っている。問題解決の糸口は見えない。

 「殺戮(さつりく)」とは多くの人をむごたらしく殺すこと。こんなことが世界各地で現実として起こっている。

 「野球などで楽しんでいていいのか!?」の疑念が頭をよぎる。

 グランドに到着。

 さぁ~、元気出して選手達と一緒に野球を楽しもう。

 

 この日の夕方、オリンピック代表選考を兼ねた水泳の日本選手権が行われた。女子100Mバタフライで池江璃花子選手が白血病から僅か2年で奇跡の復活優勝を遂げた。「凄い!」の言葉以外見つからない。誰もが感動・勇気をもらった。池江選手の諦めない心、努力する心、そして勝負への執念はどこから生まれてくるのだろうか。

 スポーツの持つ素晴らしい力を再認識した。

 

 世界中の至るところで血の連鎖が続く。人間は無限の知恵や可能性を秘めているはずなのにどこへ行ってしまったのだろう。

 せめて世界中の子ども達が銃ではなくバットを持てる日が来ることを願う。

                           

                           2021.4.6  By佐藤 繁信